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No.7「運動や体育が苦手…嫌悪感とは」

No.7「運動や体育が苦手…嫌悪感とは」

©️Kimiko Sekimoto
今回からは、運動嫌いや体育嫌いに関わるテーマを取り上げたいと思います。
今回は、そもそも嫌悪感とは何かを考えてみます。
私たちには、いわゆる喜怒哀楽があります。心理学では、このような心のはたらきを感情あるいは情動と呼びます。そのような感情の中の1つに嫌悪感があります。多くの感情ではその起源がよく分かっていませんが、嫌悪感だけは何が起源かがはっきり指摘されています。それは味覚の中の苦みに対する反応です。味覚以外のさまざまな事柄に対する嫌悪感はすべて苦みへの嫌悪感をもとにつくられたと考えられています。

では、苦みの嫌悪感はなぜつくられたのか。それは、有害物質(腐ったものなど)が口から体内に入ることを防ぐためです。渋柿を口に入れてしまったときのことを思い出してみてください。反射的に吐き出し、柿を手から離します。このような行動を生じさせる(動機づける)働きが嫌悪感にはあるのです。また、嫌悪感やそれに伴う不快感を示すときは、額にしわが寄り、目が細くなり、鼻の周りや口元にしわができます。これは体を閉じる反応で、刺激物の侵入から逃れようとしているのです。

子どもが、何かに反応して、目を閉じる、口をぎゅっとふさぐ、手のひらを固く握る、ぎゅっと背中を丸めて小さくなる、あるいはいつも体に力が入り緊張しているなどというときは、何かが嫌悪を感じさせ、自分を守ろうとしているのかもしれません。親として、子どもをそうさせていないか。気をつけたいものです。

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