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No.5「行動を自分で決めることの大切さ」

No.5「行動を自分で決めることの大切さ」

©️Kimiko Sekimoto

こんにちは。今回は、行動を自分で決めることの大切さをお話します。
以前、内発的な動機づけ(取り組もうとする行動の価値が自分自身の価値として意識さ
れていて、その価値を自発的に得ようとする心の働き)の大切さを説明しましたが、この
ことを、脳神経の活動レベルで確かめるという実験が行われました。

実験の課題は、ストップウォッチで 5 秒ぴったりに止めるというもので、3 分間で何回
成功できるかが数えられました。チャレンジは、3 分間の休み時間をはさんで、2 回です。
また、ストップウォッチは、ハートや魚などいろいろな形をしていました。実験参加者は
2 つのグループに分かれ、第1のグループは、どのストップウォッチを使うかを自分で決
めることができました。一方、第 2 グループは、自分で決めることができず、コンピュー
タによって指定されたストップウォッチを使わなければなりませんでした。

さて、結果です。課題の成功率は第 1 グループの方が明らかに高く、脳の MRI 画像をみ
ても、 「やる気」に関係する神経群の活動が広い範囲で活性化していたのは第 1 グループの
参加者でした。

この実験結果は、意欲的に課題に取り組む、すなわち、内発的に行動する際の大切な条
件の 1 つが行動の自己決定(自己決定感)であるということを示しています。大人は、行
動の結果がどうなるかが、経験から知恵として分かっているため、つい、先を案じて、子
どもの行動に口出ししがちです。しかし、それがやる気を奪ってしまいます。

自分は何をしたいのか、どうしたいのか。まずは、子ども自身に決めさせ、取り組ませ
ることが大切であるということです。

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