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No.1「子どものやる気をいかに引き出すか」

No.1「子どものやる気をいかに引き出すか」

©️Kimiko Sekimoto

初めまして、日本女子体育大学教授の佐々木万丈です。

この度ベースプラスさんから子どもとスポーツ心理学について相談がありました。話をしていると、とても良い内容だからWebにも掲載したいとオファーがあり、こちらのWebサイトにて 「子育て、スポーツ活動、心」をテーマ にコラムを持たせてもらうこととなりました。私の専門は体育心理学とスポーツ心理学です。子育てとスポーツ活動、そしてそれらと心の関係について 、 心理学の視点でお話をさせていただきます。

第一回のテーマは「子どものやる気をいかに引き出すか」です。

子どものやる気をいかに引き出すか

「やる気」は、心理学では、意欲あるいは動機づけ(モチベーション)と呼ばれています。動機づけに関する研究は多数行われており、その1つに、人は他者からやるように言われたことに対してよりも、心の中で「やってみよう」あるいは「やってみたい」と自分で決めたことに対しては一生懸命に取り組み、しかも長続きするということが明らかにされています。
他者から言われて何かに取り組んでいる場合、それは「外発的に動機づけられている」といいます。このような行動では、その行動に対する自分にとっての価値が見出せない限り、不満やつらさなどの感情が伴い、行動は長続きせず、成果も上がりません。一方、自分でやろうと決めて取り組む場合は、「内発的に動機づけられている」といいます。その行動は自分にとって価値があることですので、多少の困難が伴っても、前向きな気持ちで取り組むことができ、長続きして成果も得られます。
子どもを、内発的に動機づけるためにはどうすればいいのか。1つは、課題に取り組む上で必要となる能力を少しずつ伸ばしていき、「自分はそれができる」という気持ちを持たせることです。2つめは、「それに取り組むかどうかは自分で決める」という状況を保証することです。3つめは、その課題にいっしょに取り組む仲間や関係する人たちから、自分は認められ受け入れられているという気持ちが持てるようにしてあげるということです。
プールに集まる仲間たちはもちろんのこと、家族同士の間でも、上に示した3つの条件が満たされるようにし、子どものやる気が自然に生れるように心がけてみてください。

佐々木 万丈

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